あっとゆーまの日々

おすすめの漫画やアニメの紹介や考察など

音楽朗読劇「信長の犬」の小ネタと考察

 

先日、音楽朗読劇VOICARIONの「信長の犬」が帝国劇場で再演されました一人の原作・脚本・演出が帝国劇場で上演されるのは稀な上、朗読劇の上演は帝国劇場史上初となる快挙です。

 

プレミア音楽朗読劇『VOICARION Ⅸ 帝国声歌舞伎~信長の犬~』

 

今回はある程度ネタバレしつつ、ストーリーについて補足となる知識や軽い考察についてまとめてみました。

 

VOICARIONとは

藤沢文翁さんが原作・脚本・演出を手掛けた「超豪華キャスト×生演奏による美しい音楽×上質な演出」三拍子を揃えた音楽朗読劇シリーズです。

 

ナレーションを極力排除し、台詞のやり取りだけで進行し、炎や煙、爆発といった視覚や聴覚に訴えかける派手な演出により、情景が目の前に広がり、どんどん物語に引き込まれていきます……。

 

演劇に対する情熱が凄まじく、かつてコロナ禍の中で無観客上演の配信をした際には、客席にお客さんからのメッセージを貼り、心を劇場に届けるといった素敵な演出をしてくれました。


ameblo.jp

信長の犬とは

安土桃山時代を、命が、犬が、走り抜ける。
日本最初の軍用犬ストーリー

~ストーリー~
本能寺の変」で信長が新でから数か月後、武蔵の国で巨大な白い犬(ボルゾイ)が保護される。
犬好きの田舎大名である太田資正は喜んでこれを飼った・・・。
それが「信長の犬」とも知らずに・・・。
数年後・・・資正の城が風魔小太郎に取り囲まれ外部との連絡手段が絶たれた時、巨大な犬が戦場を駆け抜け資正を救うことになる。
この物語は、日本最初の軍用犬の実話を元にした、藤沢文翁版 異色の戦国絵巻である。

天下人となった秀吉が、戦場を駆ける犬の噂を耳にし、多門・資正の元を訪れるところから物語が始まります。白き魔犬「ルキフェル」との出会い、信長、光秀、千利休らと過ごした日々の回想、資正と多門の兄弟のような絆、そして秀吉の暗躍。過去と現在が入り混じり、ストーリーは展開します。

今回のテーマは「当たり前のことだそうです。

命とはなにか……。戦とはなにか……。

まだ見たことがないという人はぜひ、その目で確かめてみてください!

 

織田信長について

イスパニア製の甲冑を纏い、南蛮から取り寄せたペルシャ馬にまたがり、戦場を駆け回る姿は、戦国の闇に輝く美しき月のようだったと秀吉は言います。

演じるキャストも、月光を思わせる綺麗な銀髪の姿をしていました。

魔王と呼ばれ、天下人は孤独だと寂し気に呟いた信長は、確かに闇に浮かぶ月のようです。

 

明智光秀について

暗殺の理由

 本能寺の変の真相については未だに研究されており、幾つかの説が存在します。

note.com

 

今作では、秀吉の一言で疑心暗鬼に陥った光秀が、本能寺の変を起こしてしまいます。

ですが、特徴的なのは、よく語られている「野望説」や「怨恨説」ではなく、新たな解釈により、真面目で実直、そのせいで視野が狭く自身を追い詰めてしまうという、光秀の人柄を描き切ったところです。

韓信劉邦

韓信劉邦の部下で、飛びぬけて優秀でした。その分恨みを買うことも多く、韓信が旧友の敵将である鐘離昧を匿っていたことを告げ口され、謀反の疑いをかけられてしまいます。

韓信劉邦への忠誠心を示すべく、鐘離昧の首を劉邦に差し出しました。結果として、弁明を聞き入れてもらったものの、韓信は兵を持たない役職まで降格させられてしまいます。

互いの間にあった信頼関係が崩れ去り、韓信が本当に謀反を企てたことが劉邦にバレて、処刑されてしまいます。

秀吉の言葉によって、韓信を自分に重ねた光秀は、本能寺で信長を討つことを決意してしまいます……。

 

泣いて馬謖を斬るとは

本能寺で信長と対峙した光秀は「泣いて馬謖を斬る」苦し気に訴えます。

規律を守るためには、たとえ愛するものであっても私情を捨てて厳しく処罰する」という意味の故事成語です。

さらに、部下の発砲音が聞こえるや否「撃つな!撃つな!魔王と思せども上様じゃ!南蛮の武器で殺してはならぬ!」と叫びます。

光秀は最後まで、信長へ複雑な忠誠心を抱いたままでした。

 

豊臣秀吉について

 光を求めれば求めるほど、自身の闇は深くなったと秀吉は言います。

太陽に例えられた秀吉が、月である信長を求めるというのは、なんとも皮肉な話です。

 

白き魔犬ルキフェル

「ルキフェル」は、明けの明星を指すラテン語であり、光をもたらす者という意味をもつ悪魔・堕天使の名です。

キリスト教においては、堕天使の長であるサタンの別名であり、魔王サタンの堕落前の天使としての呼称でもあります。

 

www.axa-direct.co.jp

 

犬種は「ボルゾイ」です。ロシア語で俊敏という意味です。名の通り、時速50キロで走ることができます。

当時の男性の平均身長は157cmと言われています。75cm以上のボルゾイがいかに大きかったのかが分かります。

 

最後に

「信長の犬」はセル配信されることが決まっています。

 

演じるキャストによって雰囲気がガラッと変わるだけでなく、昼夜で、違うお芝居をなさるキャストも多く、とても見ごたえがあります。

ぜひ、一度ご覧ください!

 

 

 

Copyright ©あっとゆーまの日々 All rights reserved.

プライバシーポリシー